FlatfishGardenの泡 2nd

KOSHU178の日記

音の不思議をさぐる―音楽と楽器の科学

音の不思議をさぐる―音楽と楽器の科学

音の不思議をさぐる―音楽と楽器の科学

図書館の返却時期が迫ったので飛ばし読み。
読んだ事すら忘れてしまうのを防ぐために日記に記録。
1992年に書かれた本の翻訳もの。
「楽器の音」を特徴づけるものは何かという問いに、科学的な実験を用いて年少者にも楽しく理解できるように説明した講演の記録。本当は手元において気になった所をじっくり読んでみたい本。


たびたび登場する(簡単らしい)数式やグラフや数表はまるっきりすっとばしてしまった。すっかり「数学」から遠ざかっているので、返却日までにちゃんと理解するのは無理だし。とほほ。(^^;;


様々な楽器の音色の素晴らしさは、数百年以上にわたる楽器職人達の経験と勘と挑戦の積み重ねの結果である。その物理的な仕組みは最近やっと解明されつつあるが、(1992時点の)最新の分析器を使っても実に複雑な相互作用の結果である事が解る。楽器の構造および音の放射される方向、個体差の大きい木という素材の特徴、演奏者の共振、、、音色を決める要素は数限りない。解析の結果を生かした『理想的な楽器』への試みも数多いが、それが魅力的な音色となって成功する確率は極めて低い。それは例えばストラディヴァリを超えるバイオリンが未だに作れないことに象徴されている。スパイスとしての不純物の配合は偶然と必然と人間の「好み」が作り上げてきた。そこに楽器職人の天才的な匠が加わる事で「名器」が誕生する。


どうも人間の脳は完璧過ぎる音色を『面白くない』と判断するようである。これはリズムや他の色々にもあてはまるらしい。機械のように正確な音は「楽音」ではなく「機械音」と認識する・・・あたりまえか。しかし数値上本当に微妙な差異を敏感に識別しているらしい。例えば立ち上がりの0.1秒の波形の変化、その後2秒ぐらいの音の揺らぎ、倍音の変化、、。


この話は、面白く追求できる内容だと思う。
最後の方に3.5インチのフロッピーに記録できるDX7-FDやローランドのS-550(こっちは私もメインで使ってた)などが最新の機械として登場しているのに思わず笑ってしまった。もちろん著者は「執筆時点での最先端だが、この本が出版される時には時代遅れの内容になっているのが確実な分野である」と書いている。

とりあえず自分の為の走り書きメモでした。