FlatfishGardenの泡 2nd

KOSHU178の日記

最近読んだ本

とりあえず、同じ本をまた買わないようにメモ。

職業欄はエスパー (角川文庫)

職業欄はエスパー (角川文庫)

かつての超能力ブームの頃よくマスコミに登場した3人の
「その後」を追いかけたルポ。
彼らにも生活があり、家族があり、時にはやらせをせざるえなかった事情があり。
そんな彼らを利用する人達がいて、本人達も利用されつつ生活に結びつけるしたたかさもあり。
どんな世界でも舞台裏を覗くのは面白い。ましてや「エスパー」の舞台裏だからますます。
作者のスタンスは、
「確かに目の前で色々な事がおこる。(スプーンが曲がったりとか)
 ただそれが”超能力”なのかどうかは、自分には解らない。」
で最後まで一貫してる。

カルト資本主義―オカルトが支配する日本の企業社会

カルト資本主義―オカルトが支配する日本の企業社会

買ったのは文庫版
「職業欄はエスパー」と併読するのが絶対おすすめ。
こちらは「面白い」じゃすまされない怖い話。
視点や分析に作者のバイアスがかかっているのは当然だが、
それを差し引いた事実だけを考えても背筋が寒くなる。


海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

こちらはルポではなくて普通に小説。
文庫本になっていたので読み始めたら「この後どうなる?」が気になって止まらない〜。様々な引用や暗喩がちりばめられているそうだが、そんな事知らなくても単純にストーリーや表現が面白かった。


以上3冊は自分のツボにはまって一気に読んだ。
3つに共通するのは超自然現象かな。

日本人はなぜ狐を信仰するのか (講談社現代新書)

日本人はなぜ狐を信仰するのか (講談社現代新書)

超自然現象と言えばこれも面白かったんだけど、
正直に言えば、おらにはちょっと難しい部分が多くて斜め読み。(^^;;


補足(2006.9.25記)

村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する (平凡社新書)

村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する (平凡社新書)


単なる「深読みウンチク本」だろうと思って読み始めた。
前半はそんな印象であったが、読み進めていくと、
これは痛烈な「海辺のカフカ批判本」であった。


何故多くの人が「海辺のカフカ」を読む事で
「癒し」や「救い」を感じたと口にするのか・・・。
この小説の裏に隠された、
周到綿密かつ巧妙な仕掛けを解き明かしてゆく。
村上春樹本人がどこまで自覚的であったのかは
 想像もできないけれど。)


文学者は、小説というものをこうやって読むのか〜!
という素朴な驚きを非常に強く感じると共に、
「現代」に生きる我々の危うい精神状態にも気付かされる。