FlatfishGardenの泡 2nd

KOSHU178の日記

MIDIAがLogicから撤退

といっても音楽制作ソフトLogicを使っていない人には何のこっちゃですよね。
以下はとある掲示板に書いたひとりごとを改変したものです。


2月1日、突然MIDIAのHPがリニューアルしてLogic色が全くなくなった。
2月いっぱいでLogic関連商品から完全撤退するそうだ。
(昨年売り出された「ver.7の3年間有償サポート」だけは期間中サポートする。
Logicの「サポート」が数万円の商品になるなんて驚いたが苦肉の策だった訳だ。)


(Logicはドイツのemagicという会社が作った音楽ソフト。
MIDIAは日本における輸入販売代理店。
日本語マニュアルの制作をはじめ、パソコン通信を活用したり
セミナーを開催したりと、きめの細かいユーザーサポートに定評があった。
私は13年程前からこのソフトを使っている。
niftyのMIDIA掲示板で何度も質問をして、そのつどMIDIAからの丁寧な回答をもらったり、
楽器フェアや楽器屋でのデモンストレーションにも何度も通ったりした。
実際に、日本のユーザーからのフィードバックがLogicの進化に大いに貢献したと聞いている。
このemagicが数年前にappleに買収され、logicは「apple logic 」というソフトになったが、
MIDIAは独自の無償サポートを付けたapple logicを販売持続して来た。
そして冒頭に書いた3年間有償サポートが昨年8月33,600円で登場した。
しかし、いかんせんLogicは既にappleの商品。
仕入れ先はappleで、apple storeもMIDIAも販売価格は同じ。
おそらくMIDIAは収支が合わなくなって撤退を決めたのだろう。
ちなみにappleのproアプリケーションの有償サポートは3年間で37万円。(笑))


理由は理解できてもショックは大きい。
MIDIAの人達は日本におけるLogicの普及の為に全力を尽くしていたと思う。
もちろんそれが商売だからなんだけど、単なる「お仕事的」ではない情熱は常々感じていた。


買収された(した)親会社のリストラ策によって、
日本の代理店が今まで誠心誠意やってきたとしても
その商売の道を断たれてしまうというのは、実にアメリカ的だ。
それによってユーザーである自分が、もしかしたら今後コスト面等で利益を得るのかも知れないが、
MIDIA社員の方々の心中を思うと心が痛む。
企業経営の「健全化」の為に無駄を省く、、、無駄と判断された人達はどうなる?


この件に限らず、日本の「景気回復」ってのは、こういうことの集大成なんだろうと思うと、
とても暗い気持ちになってしまった。


(ただ、Logicがソフトとして発展途上だった1990年代は
根本的に不便だったり、バージョンアップで仕様が大きく変わったり、
重大なバグがあったりと、単にちゃんと使うためだけにも
ユーザー同士やデベロッパーとの意見交換が切実に「必要」だったけれど
今世紀になってからは、細かいバグはあるものの基本的には完成されたソフトになり、
付加価値としての機能が増え続けているだけなので、
私自身も、MIDIAのサポートに頼る事は年に1度有るかないかという頻度になっていた。
ネット上での関連情報も桁違いに増えている。
つまり「普通の商品」になったと言えるのかもしれない。
それを見越しての買収でもあったのだろう。
今回の事は、ベンチャーデベロッパーとしてのemagicやMIDIAの役割が
名実共に終わったことを通告しているようにも思える。
でも、、、なんかそれってやっぱり変な話じゃない?
商品が完成された瞬間においしい所取りじゃん。
もちろんemagicの開発&経営陣は相応の見返りをもらったんだろうけどさ、社員はどうなるの。)