FlatfishGardenの泡 2nd

KOSHU178の日記

アメリカ交響楽

Rhapsody in Blue [VHS] [Import]

Rhapsody in Blue [VHS] [Import]

駅の構内で500円で売っている旧作DVDシリーズに入っていた「アメリカ交響楽」を見た。
(画像リンクしている「Rhapsody in Blue」というタイトルのビデオになると16,000円。)


ラプソディ・イン・ブルー」や「サマータイム」の作曲者ガーシュインの伝記映画。
1945年公開。白黒。
(米国ったら日本と戦争しながらこんなゴージャスな映画を作ってたのね。)


1920年前後の様子が色々解って面白いんだけど、特に面白かったのは、売れる前のガーシュインがバイトをしていた「音楽出版社」(*)の風景。
カラオケボックスのような狭い小部屋がずら〜り沢山並んでいて、その一つ一つにピアニストがいる。お客さん(プロのシンガーとか(*2))が来ると、この会社の曲を色々弾いてあげる。んで、唄ってみて気に入った曲の楽譜をお買い上げ♪
まさに「出版社」による楽譜の店頭販売。
デパ地下の「試食コーナー」みたいなものですな。
現在も楽曲の権利を管理しているのは「音楽出版社」だし、楽曲の権利を「出版権」と呼ぶんだけど、こういう映像を見ると「なるほど確かに『出版』だ」と納得。


(*:補足)
  この音楽出版社は「レミック」という名前。
  ニューヨークの「ティン・パン・アレー(28番街の俗称)」にあった。
  この『カラオケボックス』ではプロ・シンガーへの楽曲提供の他に
  素人の唄の伴奏(まさにカラオケ)
  サロンピアニストへのピアノ曲提供なども業務であった。
(*2:補足2)
  プロのシンガーが「買う」というのは間違いでした。
  プロのシンガーには「無料」で渡されたそうだ。
  そういえばこの映画の中でも「無料の楽譜を探しに来たの。」というセリフがあり、
  「貴女もプロなんでしょ?」「ええ、、、これからオーディションに合格すれば。」
  みたいなセリフがあったっけ。
  『プロが唄って評判になる〜ヒットする〜楽譜が売れる』
  という流れだったのか。
  『新譜を無料でCMタイアップに提供して話題性を期待する』
  という現代のレコード会社のやり方と似てるな。


また、映画の中で演奏の実演シーンが多いんだけど、
その多くがまさに「実演」と思われ、エンドクレジットを見ても「Himself」が結構多い。
1940年代のエンターテナー達の実力に驚いてしまう。
唄や演奏や踊りや、、、。
パリのシーンでピアノを弾き語りする女性は誰だろう?
すんごくかっこいい&セクシーだったにゃ。
「演劇」〜「オペラ」〜「ミュージカル」という時代の流れもな〜んとなく見えて興味深い。


もちろん特典映像や解説書なんて一つもついていないそっけないパッケージだが500円は激安。
(500円シリーズは、日本での『出版権』が切れた50年以上前の作品ばかり。
 著作者には1円(1セントか)も渡らないのだろう。
 しかし映像の原盤権とかどうなっているのか?)