FlatfishGardenの泡 2nd

KOSHU178の日記

失踪日記

失踪日記

失踪日記

先週高校時代の友人イトー君と会った時に彼が「まあ読んでみてよ」と本屋で買ってくれた。ありがとう。
帰宅してから一気に読んでしまった。オビに「全部実話です(笑)吾妻」とあるように、漫画家・吾妻ひでお氏の実体験マンガである。自分の世代だと少年チャンピオンに連載されていた「ふたりと5人」を知らない人はいないだろう。(この「ふたりと5人」を彼はいやいや書いてたと初めてこの本で知った。)


その売れっ子漫画家の吾妻が1989年11月に「タバコ買ってきます」と仕事場を出たままホームレスになっていたとは。この「失踪日記」の前半はホームレス時代の体験記、後半はその後のガス配管工時代の体験記と精神病院に入院してのアル中闘病記。このアル中闘病記は続編に続くようだ。


ホームレス時代の生活は凄惨なものだが、それを実にクールに淡々と描写している。「リアルだと描くのつらいし、暗くなるからね」とは本人の弁。「めし」「タバコ」「酒」。。彼が生きる為になんとしても確保しなくてはならないもの。どうするか?ネタばれになるのであまり書かないが、、、彼はホームレスとしては普通の生活、、、つまり、生ゴミ袋の中身や料理屋の残飯を主食としてた。。。


つまり自分が「どういう人達なんだろう」と思うホームレスのひとりはこういう人であったということ。
他には

人間ドキュメント ホームレス入門―上野の森の紳士録

人間ドキュメント ホームレス入門―上野の森の紳士録

山谷崖っぷち日記

山谷崖っぷち日記

この二冊もホームレスのうちのふたりはこういう人であったと解る本。
吾妻氏は徹底的に「ひとり」で生活したいので他のホームレスの事はあまり解らないが、後に挙げた2冊は、本人以外のホームレスの人の生態もある程度見えてくる。


見えてくる、、見てどうする?が問われるが、、、
少なくともこの3冊に関しては各作者が淡々と報告する内容をただ読む、で、いいのではないかと思う。少なくともホームレスの人に対する根拠のない偏見や恐怖は多少薄らぐのではないだろうか。


追記:「山谷崖っぷち日記」は「ホームレス」ではなかった気もしてきた。(^^;;読んだのが数年前故、、、アマゾンの関連書籍を見ると、ホームレス関係の書籍はこの数年でずいぶん増えているようだ。