小沢昭一「僕のハーモニカ人生」@松戸市民会館
77歳だそうです。
唄って、吹いて、語って、2時間近くの独り舞台。
恐るべき記憶力とパワー。
ハーモニカ2台をわしづかみしての演奏は達人級。
昭和初期の歌謡曲を歌いながら軽妙に始まったトークが、
どんどん迫力を増して来る。
「ただ”ハーモニカを吹きたい”と言っただけで
”この非常時に何を言うか!”と上官に殴られるような
『戦争』を絶対に繰り返していはいけない。」
「僕は、典型的な軍国少年でした。残念ながら。
軍歌も全部唄えるもの。
でもね、全部『お前はお国の為に死ね、死ね、死ね!』
って歌詞なんですよ。
戦後冷静になって考えてみると、とんでもない内容だった。」
最近の世の中の空気は「戦前」に酷似しているそうだ。
政治家もほとんど戦後世代になり、国益とか一人前の国とか
改憲とか再軍備とか色々勇ましい言説が主流になってきた昨今、
70歳代の方々が、実際に体験した「庶民にとって戦争とは何か」
をなんとしても伝えておきたいという強い意志と若干の焦りを感じる。
同じ過ちを繰り返さない為にも
戦後世代は心して聞き逃さないようにしなくてはならないと思う。
2世3世が多くなった政治家。
つまり彼らの家庭環境は戦前/戦中から特別な階級。
そりゃ「国益」は大事でしょう。
自分や親族の安全と繁栄の基盤だから。
しかし、圧倒的多数のそれ以外の人々は、
有無を言わさぬ圧力で、巻き込まれて、
悲劇としか言いようの無い状況に追い込まれる。
これ戦争の常識。ですよね?
補足:同時に、悲劇的な結末にレールを敷いてしまうのが
庶民自身の「気分」「雰囲気」だったりもするのですよね。
最初は上からの一方的な押しつけではなくて熱望と歓迎から始まる。
僕らは現在進行中の色々をどう判断すべきなのか。
慎重に考えたいものです。